やっぱり俺のお気に入り
だって、学校でなら会えるだろ?



また変わらないあの笑顔の未来を見れたら、



俺の不安は消えていくんだぜ。



なのにさ・・・・・。



どうしてだよ。



「あたし・・・転校するんだ・・・」



未来は俺と同じ気持ちじゃねぇのかよ?



「はっ??どういう事?」



「仕事と両立するには公立の高校だと無理だって・・・事務所の人がもう手続き済ませてあるって・・・」



どこまでも未来は遠くなっていく現実。



俺はかえす言葉すら見つからなかった。



「ゴメンね。相談もしないで・・・。宗君には言ってあったんだけど」



・・・・・宗?



いつの間に『宗君』とか呼んでるわけ?



俺の中に次々と込み上げてくる感情。



これは嫉妬?それとも怒り?



そんなもんじゃねぇ。



俺達・・・・・。



もう・・・・・終わりなのか?



お前はそれを俺に言わせたいのかよ・・・・・。



未来の気持ちが分かんねぇよ。



「龍斗に会いたい・・・」



なのに、今にも消えそうな声で、そんな事言うなよ。



そばにいてやれねぇ俺にお前は今何を望むの?



「会いたい・・・よぉ・・・龍・・・斗」



未来は何度もそうつぶやいた。

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