やっぱり俺のお気に入り
チャリで駅へと向かう。



あまりに勢いよくダッシュしてる俺を不思議そうに見て通り過ぎてく人達。



自転車を止め、走り出す。



急いで上った階段に息切れする暇もなく電車に乗り込む。



早く・・・・・もっと早く・・・・・こうすればよかったんだ。



何を遠慮して俺は今までこうしなかったのか。



会えないなら、会えるようにすればいい。



そうなんだ。



行動を起こせなかった自分に腹が立つ。



帰宅途中のサラリーマン達の中、俺は真っ暗な夜空を窓越しに見つめながら未来のことを考えていた。



俺は逃げていたんだ。



どんどん遠くなる未来から。



そんな自分からも未来からも俺は逃げていたから。



早く会いてぇよ・・・・・。



なぁ・・・・・未来、俺を待っていて。



こんな俺でもお前なら変わらず受け止めてくれるよな。



きっときっと、あの変わらない笑顔で。
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