やっぱり俺のお気に入り
「龍斗・・・・・っ!!」



後ろから声がして俺はすぐ振り向いた。



「未来・・・・・!!」



そこには少し息を切らせて立っている未来がいた。



ニットの白い帽子を目深にかぶり、微笑む顔。



色白の肌。薄っすらとピンク色の頬。



未来。会いたかった未来がそこにいた。



「龍斗ぉ~」



次の瞬間、俺は未来の香りに包まれた。



「ぅおっ・・・」



いきなり抱きつかれた体勢の俺。



それでも両手でしっかりと未来を受け止めた。



「会いたかった・・・よぉ・・・」



「・・・俺も」



「全然連絡しなくてゴメンねっ・・・・・」



未来の声を耳元で感じながら俺は抱きしめる力を強めた。
< 258 / 296 >

この作品をシェア

pagetop