やっぱり俺のお気に入り
それからも簡単には未来には会えない日々。



まぁ、分かってはいたはずなんだけど、会いたいのが本音。



あれから未来はすぐに転校した。



この学校で姿を見ることすら出来なくなった。



でも俺の気持ちは前向きでいられた。



以前とは全然違っていたんだ。



「龍斗!!今日遊べる??」



帰り際、同じクラスの女が俺を誘う。



「悪ぃな、俺、勉強すっから無理だわ。ゴメンな」



こんな誘いも笑顔をくっつけて断ることが当たり前になっていた。



何度か断られた女はたいてい諦めて誘ってこなくなるし。



そんな態度でいられるからか、面倒なことは減ってるかな。



「最近龍斗頑張るよな・・・お前が勉強とか、最初は違和感たっぷりだったけどさ、今じゃあすっかり慣れちまったし」



裕輔が携帯をいじりながら、俺に言う。



「お前なぁ~。俺達3年になったんだぜ。裕輔も少しは勉強しろよ」



「俺はいいんだよ。就職希望だし・・・勉強なんてどうでもいいって」



裕輔とは3年になっても同じクラスだ。



相変わらずいつもこいつがそばにいるんだよな。



やっぱ俺達って『腐れ縁』だな。





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