やっぱり俺のお気に入り
「じゃあね、優。またメールするよ」



「うん、またね」



俺は優に手を振り、そう言うと視聴覚室を出た。



面倒なことを求めない、言わないから優はやっぱいいな。



放課後は誰も使わないこの視聴覚室。



校舎の隅にあるから人も通らないこの教室。



だから便利に使わせてもらってる。



俺にとっては最高の教室だな。



でも俺はこんなにいい女の優でさえ、俺の『都合のいい女』にしちまってるんだよな。



それは分かってる。



自分のいい加減さは俺が一番よく知ってる。



でもこれが俺。



最近、俺には人を好きに思う気持ちがないんじゃないかって、思う。



もちろん、それでいい。



でももしかしたら・・・誰かを本気で好きになることもあるんだろうか・・・とも思うんだ。
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