やっぱり俺のお気に入り
少しだけ何か考え込みんで大きく深呼吸した平岡未来。



そして決心したかのようにゆっくりと話し始めた。



「・・・あたしは・・・龍斗君っていつもあんまり楽しそうじゃないなって思えてました・・・・遠くでしかいつも見たことないですけど・・・なんか無理して頑張って笑ってるように見えてたんです・・・・・」



平岡未来は俺と視線を合わせないまま、話を続けた。



「友達はあたしがそう言うとみんな気のせいって笑うんですけど・・・・あたしにはどうしてもそう見えて・・・」



「・・・ふ~ん・・・未来ちゃんには俺が・・・そう見えるんだ・・・??」



この女に見透かされてた?



・・・・・俺の本音・・・俺の気持ち。



「あ、なんか生意気なこと言ってスイマセンっ!・・・・・でも・・無理して笑顔作ったり、女の子達に囲まれてるのだって・・・本当は嫌なんじゃないかなって・・・」



少しずつはっきりした口調になる言葉。



「そんなの言われたの・・・初めてだな。それで俺に手紙を??」



俺なんて表面だけしか見られない、見てもらえないような奴だ。



それ以上何もない・・・・・そんな価値もない男なんだよ。



『龍斗君カッコイイ♪』



そんな言葉だけはもらえる、中身のない男。
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