やっぱり俺のお気に入り
授業の合間の休み時間。



俺は仲のいい裕輔(ゆうすけ)とくだらない話で盛り上がる。



裕輔は家が近所でガキの頃からの腐れ縁。



俺がこの高校を受けたのも裕輔が受けると聞いて決めたようなもんだ。



特に目標もなく、夢もなく、進路に迷ってた中学3年の頃、



「龍斗、この高校、受けないか?校風も自由だし、チャリ通出来るぜ」



と、言う裕輔の言葉に頷いた俺。



希望の高校をちっとも考えてねぇ俺を心配してた当時の先生も親も泣いて喜んでたな。



ってくらい、俺は・・・・・



自分にも無関心で、



それでいて冷めている。



深く考えたり、悩んだりするのも面倒。



そう言うところは昔からあったな。



考えてみたら、そんな俺が気楽に話せて、



腹抱えて笑い合える友達は裕輔だけかもしれねぇな。

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