やっぱり俺のお気に入り
お前の髪の香り。抱きしめた感触。



お前の呼吸まで・・・・・覚えておくから。



今度抱きしめられる時まで・・・・・しっかりと。



忘れないように・・・・・思いも願いもすべて。



「・・・冗談・・・じゃないんですね?ホント・・・に?」



「あぁ。待ってるから・・・返事・・答えが出たら教えて・・・・・」



そう言って、手を振った俺。



なんだか恥ずかしい思いもあって、平岡未来に振り向くことなく、俺は教室に戻った。



教室に戻るとすぐに裕輔がニヤニヤしながら、



「何、何、何?未来ちゃんを呼び出してどこ連れてったんだよ?超みんな騒いでたぜ。特に美由紀とか・・・めちゃくちゃ焼きもち焼いてたぜ」



と、俺の顔を覗き込むように言ってきた。



「は?美由紀が?」



「そう。かなり怒ってた感じだったな・・・」

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