抱きついてもいいですか?
恋愛なんて………
「おはようございます。」
部屋に入ると一斉に皆がこちらを振り向き
挨拶をする。私は、一言「おはよう」
と答えて自分の席につく。
ここは、私の勤める初井株式会社の営業二課である。
私は、ここの課長だ。
今年で29歳。課長になって2年がたった。
同期の中では女でありながら出世頭のような位置にいる。
勿論周りの友達や同期は結婚 そして出産をしている。
その波に乗り遅れているのは私くらいだ。
就職してこの数年、必死こいて仕事ばかりをしていたのには訳がない事もない。
が、ただのいい訳では?とおもうのだ。
結婚をしたくないわけではないし、
恋人が欲しくないわけでもない。
そして、今までも恋人がいなかった訳ではないのだが、決まって私が振られるのだ。
理由は簡単。「可愛げがない」らしい。
みんなのように可愛く甘えたり、程よく弱さを見せたりなんて器用なこと出来なかった。
だからか、いつも、いつも可愛げがないって振られるんだ。
「はぁ。」
私がため息をつくと横から新入社員の横山
那月が、間髪入れづに突っ込んできた
「どーしたんですかー?かちょぉー溜息なんてついちゃって」
「那月………。そんな事はいいから、一週間分の売上げ目標到達できたの?」
うちの課にはノルマならぬ、目標と言うものがある。一週間でここまで出来たらいいねって言うもの。基本的には自分で目標は決めるけど、それが余りに意欲がないものだと私が突っ込む。
強制ではないし、達成できなかったからといってどうこうなるわけでもない。
あくまで、目標は目標だ。
「んもー。私を誰だと思ってるんですかー
横山 那月ですよ!私が目標を週末ギリギリに達成すると思います!?」
「いや、思わないけど……」
横山のこの自信はけして自分を過大評価しているわけではなく、本当にできる子なのだ。 いわば、私に次ぐ若きキャリーウーマンなのだ。 けれど、彼女は彼氏がいるし女としての幸せも保てている。
それは、彼女が器用だからなのだと常々思うのだ。
私が那月と話していると、同期で部下の
柏本が椅子をクルリと回してこちらを向いてきた。
「有馬ー、さっき部長が朝礼終わったら部長室来いって言ってたよー?なんかしたのぉー?」
相変わらず間の抜けた喋り方だと思いながら 柏本の言ったことが気になってた。
「私、何かしたかなー?」
首をひねると、まだ横にいたらしい那月が
「あれですよ!お見合いとか!そ~ゆーのですよ!!」
楽しそうにはしゃぎだした。
「……………いやいやいやいやいや!無ーい絶対なーい。有馬に見合いとか100%なーい!」
そう言って柏本は、ゲラゲラと笑いはじめた。
「失礼ねー。」
「大方、出世の話とかだよー。きっとね。流石、有馬ー。俺らの出世頭ー!」
馬鹿にされてんだか、よくわからんがとりあえず今はほおっておいた。
部屋に入ると一斉に皆がこちらを振り向き
挨拶をする。私は、一言「おはよう」
と答えて自分の席につく。
ここは、私の勤める初井株式会社の営業二課である。
私は、ここの課長だ。
今年で29歳。課長になって2年がたった。
同期の中では女でありながら出世頭のような位置にいる。
勿論周りの友達や同期は結婚 そして出産をしている。
その波に乗り遅れているのは私くらいだ。
就職してこの数年、必死こいて仕事ばかりをしていたのには訳がない事もない。
が、ただのいい訳では?とおもうのだ。
結婚をしたくないわけではないし、
恋人が欲しくないわけでもない。
そして、今までも恋人がいなかった訳ではないのだが、決まって私が振られるのだ。
理由は簡単。「可愛げがない」らしい。
みんなのように可愛く甘えたり、程よく弱さを見せたりなんて器用なこと出来なかった。
だからか、いつも、いつも可愛げがないって振られるんだ。
「はぁ。」
私がため息をつくと横から新入社員の横山
那月が、間髪入れづに突っ込んできた
「どーしたんですかー?かちょぉー溜息なんてついちゃって」
「那月………。そんな事はいいから、一週間分の売上げ目標到達できたの?」
うちの課にはノルマならぬ、目標と言うものがある。一週間でここまで出来たらいいねって言うもの。基本的には自分で目標は決めるけど、それが余りに意欲がないものだと私が突っ込む。
強制ではないし、達成できなかったからといってどうこうなるわけでもない。
あくまで、目標は目標だ。
「んもー。私を誰だと思ってるんですかー
横山 那月ですよ!私が目標を週末ギリギリに達成すると思います!?」
「いや、思わないけど……」
横山のこの自信はけして自分を過大評価しているわけではなく、本当にできる子なのだ。 いわば、私に次ぐ若きキャリーウーマンなのだ。 けれど、彼女は彼氏がいるし女としての幸せも保てている。
それは、彼女が器用だからなのだと常々思うのだ。
私が那月と話していると、同期で部下の
柏本が椅子をクルリと回してこちらを向いてきた。
「有馬ー、さっき部長が朝礼終わったら部長室来いって言ってたよー?なんかしたのぉー?」
相変わらず間の抜けた喋り方だと思いながら 柏本の言ったことが気になってた。
「私、何かしたかなー?」
首をひねると、まだ横にいたらしい那月が
「あれですよ!お見合いとか!そ~ゆーのですよ!!」
楽しそうにはしゃぎだした。
「……………いやいやいやいやいや!無ーい絶対なーい。有馬に見合いとか100%なーい!」
そう言って柏本は、ゲラゲラと笑いはじめた。
「失礼ねー。」
「大方、出世の話とかだよー。きっとね。流石、有馬ー。俺らの出世頭ー!」
馬鹿にされてんだか、よくわからんがとりあえず今はほおっておいた。