◇ヌードで魅せて◇
3.
【愛しいもの】
文化祭前日。
作品の展示も無事に終わったので、今日はずっとクラスのほうに顔を出していた。
最後の大詰め。
教室の中をカフェっぽく飾りつけたり、机同士をくっつけてその上にテーブルクロスをかけたり。
メニューボードは美帆の手描きで、よりカフェっぽさを演出できている気がする。
あたしの作ったチラシもそれなりの出来で、今、コピーをしてもらっているところだった。
それを三つ折にして、宣伝のために校内で配り歩くことになっていた。
「明日が楽しみだね~!」
誰かの言葉に、みんなが賛同して盛り上がり。
「では~、明日の成功を願って~かんぱーい!」
試作品として作ったパウンドケーキやチーズケーキ、それからクッキーにプリンを並べて前夜祭とばかりにみんなでウーロン茶片手に乾杯をした。
午後には全校生徒での前夜祭も予定されていて。
お祭り開始まで、あと少し。
カウントダウンは始まっていた。