カノジョとカノジョ
気づいたら、病院のベッドで寝ていた。


「みさっきー、気づいた?」


目線の先には、涙目になっている由美先生がいた。


『何か言わなきゃ』と思い声を出そうとしたが、声は出ない。


「無理しなくても良いよ。

もう少しでみさっきーのパパが到着するからね…。」


私は、申し訳ないと思った。

「みさっきー、可愛いね。

意識をもうろうとしていたのに点滴を嫌がっていたよ」


恥ずかしくなった。

3歳の時、入院した時から点滴は大っ嫌いだ。
< 16 / 53 >

この作品をシェア

pagetop