カノジョとカノジョ
「ダーリン、行っちゃったね」

「えっ?ダーリン?」

「うん、ダーリン。でも、『ダーリン』って呼んだら照れてたんだよね…」

ドラマとかで『ダーリン』って言っているのは聞いたことがあるけど、
実際に言っているのは今まで聞いたことがなかった。

パパが照れるのもなんとなく分かる。

「みさっきーずっと私の事、『由美先生』って呼んでるよね!?
私、結婚して苗字が『杉田』に変わったし、
もうみさっきーのママなんだからもう『先生』をつけて呼ぶのはやめようよ!」

「じゃあ、なんと呼べば良いんですか?」

「う〜ん…私もそれを言われると困るんだよなぁ…もう、『ママ』でいい?
ちなみに学校では『由美先生』って言ってね。
『ママ』っていわれたらさすがの私も恥ずかしいから…」

「分かりました!」

「じゃあ、私はこれからママね!
練習しよっ!『ママ、お茶取って』って言って♪」

「ママ…お茶取って…」

「はいっ、どうぞ♪じゃあ次は『ママ、ちゅ〜して』って言って♪」

「えっとぉ…ママ…ちゅ〜して…」

「りょーかいっ!」

「えっ!いゃ本当にしなくても…んんッッ」

「みさっきー、顔真っ赤!キス慣れないの?」

「慣れないですよ…」

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