カノジョとカノジョ
──ピンポーン──

「お客さんみたい…」

「オレが行ってくる。」

そう言ってパパが玄関へ行った。

「パパ、おひさ〜」

「ちょっと…お前、今頃何をしに…」

聞いた事のある若い女の人の声。

「『何をしに』って美咲ちゃんを迎えに来たんだよ!」

「みさっきーを迎えに…?」

ママが呟いた。

「ママ、誰が来たの?『私を迎えに』って?」

私は怯えながら言った。

「もう入るね。お邪魔します!」

そう聞こえてから足音が近づいてくる。

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