カノジョとカノジョ
「ただいま戻りました。」

そう言って嘉代先生がいる席に座った。

「美咲ちゃんは、友達からなんて呼ばれているの?」

「だいたい、呼び捨てで美咲ですね。時々、みさっきーとかミッキーって呼ばれますけど。」

そう言った時、ママがお店に入ってきた。

「仲良くお話ししている所を失礼しますが、
みさっきーからお迎えに来るように言われたので、迎えに来ました。」

「美咲ちゃんが言った?いつ言ったというのよ。」

「私がトイレに行ってる時にLINEで言った。」

「じゃあ、この場で決めよう。
美咲ちゃんは、私達と暮らすのか、それとも由美先生と暮らすのか。
ねぇ美咲ちゃん、私達と暮らそうよ。
この前言った通り、好きな物はなんでも買ってあげるし、頭が良い学校にも通わせてあげるよ。
一緒に暮らそうよ。」

「まだ嘉代先生は分からないんですか!?
自分が、お金の事ばかり言ってることを!
私は、幸せはお金じゃないと思います。
幸せは、みんなと仲良く過ごして楽しく生活できる事だと思います。
だから、私はこれからもママと暮らします。
今まで、ありがとうございました。
それでは失礼します。」

そう言って私とママはお店から出ていった。
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