After -deconstruction "God Ideology"



 コロ村はその日晴れていた.

雲1つない気持ちのよい青空だ.

さしてにぎやかで華やかな雰囲気はない.

しかしリーリュスのような廃れた感じはない.

村の中央にある湖は静かで,カエル族と思われる老人が釣りをしていたり,男女が手をつないで歩く姿をみることもできる.


 風神は2人をコロ村まで連れてくると,土神のプロジェクトの方に参加しなければならないと言って,すぐに帰ってしまった.

前回ついてきたお目付け役のひけーこんは今回来ていない.

火神と水神の2人だけである.

「き,気持ちいい村だな.」

火神は遠くの方を向いていた.

しかしその方向や声とは裏腹に,目があちらこちらを見ていて落ち着きがなかったように思えた.

「…どうかしたの?」

水神はぎこちない火神の行動が気になっていた.

2人はそれからは話すことなく動くことなくその辺りのカエル族と同化していた.

水神はこの村については,火神の言う通り,気持ちいい場所だと思った.

こんな思いをしたのは,ミナトシティで今その目の前にいる火神と会った,あの時以来だろう.
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