After -deconstruction "God Ideology"
それぞれの神はそれぞれに判断をし,納得の合図を送った.

聖神は共に聖犬となったマテーラがひとつ吠えた.

人によっては恐怖を覚えるようなもの,だった.

土神は右手を高く掲げ,持ち前の低音でうならせた.

その他の火神や雷神,風神,水神も反応をしたが今度は星様の隣にいた月様の絶告がはじまった.

「我が下僕の神達よ.

 今は転換期なのです.

 この星は闇軍団が優勢でしたが,今はそれが変わりつつあります.

 闇軍団は私たちの快楽を妨げています.

 この転換によってもたらされるものは,奴らによる統一の支配からの自由なのです.

 それぞれ好きなことをやることができます.

 この星にももし目があるとすれば,それは私たちに他なりません.

 これは痛みも何もない,そういう世界への転換なのです.

 神達よ,ここがふんばりどころです.」

月様の声は暖かかった.

星様のように心臓をつんざくものではなく,身体を包み込む月様は包み込んだ中そのものから伝わってくる,そういう感じだったというのが多くの神がそう感じた.
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