After -deconstruction "God Ideology"
 ジラスは結局何もしないでぼーっとしていた.

ただし,両親から隠れるように.

とんとん,とんとん,部屋の窓を叩く音がした.

誰だろう?

部屋にあるふるい窓のほうを向くと,そこにはひとりの女性,キャサが立っていた.

ジラスはすぐに窓を開けた.

窓はきしきしいいながら,がらんと開いた.

「ジラス,聞いたわよ.

 ミナトシティに行くんだって?」

キャサはいきなり話し出した.

どこまで続くかわからない壮絶な気がした.

「ああ,そうだけど.

 でも,何で知ってるんだ?」

「知らないの?

 あなた以外はみんな知っているわよ,今村はその話題で持ちきりよ.」

ジラスはちょっと目がくらくらしてきた.
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