After -deconstruction "God Ideology"



 絶告が終わると,入り口の扉が自動で開かれる.

「誰か聞いていたか.

 まあ,良い.

 聞かれたところで我々が困ることは何もあるまい.

 我々は常に正しいのだ.」

星様は低いがきつい声でそう言うと,姿を消してしまった.

他の神達も星月様の言を胸に抱いて絶告の部屋を後にした.


 ここは火神の部屋.

まさに燃えるような朱色に囲まれた部屋である.

部屋にはベッドに腰掛けて頭を抱えている火神と火神に寄り添うように下女がいた.

「あの水神は,本当に生まれ変わったのか.」

火神は時折ジラスを交えながら,下女に聞こえるように独り言を言った.

「ええ,そうですわ.

 だって役立たずなんですもの.

 不要な人を退場させる.

 当たり前のことでしょう.

 私達は彼そのものを求めていたのではありません.

 私達が必要としていたのは水神としての頭数だったのよ.」

「なら,おれもそうなのか.

 おれも単なる頭数だったのか!」

火神は不意に下女をつかまえ,揺さぶり,揺さぶった.
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