After -deconstruction "God Ideology"



 「起きましたようですね.

 目を開けるとそこは土の上だった.

 土といっても,上に屋根がついているのがわかった.

「ようこそ,神様.」

「神様?」

カハシはまた,よくわからなくなっていた.

と同時に不思議な嫌悪感があるのもまた,わかった.

「あなた様は雲の上の人でございましょう.

 なにせ空から人が降ってこられるなんて,神様に違いない.」

「神様なの?」

ここには自分を除いて二人いる.

一人はまだ若く,物腰が柔らかそうに見える青年とそして青年になついているまだ幼い素朴な顔をした少女だった.

「しかし,いや,さすが神様だ.

 降ってこられて3日気絶していただけで無事だなんて.」

気づいたのはよいが,自分の体をうまく使いこなせなくなっていた.

起きようと思って頭を上げても,なかなかうまく上がってくれない.
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