After -deconstruction "God Ideology"
 再びそこには三人の静寂とした空間に戻った.

「私には難しそうな話しみたい.

 ちょっと台所に行ってきます.」

少女が沈黙を破った.

しかし,また一人その場を去ってしまった.

「こめんなさい.

 ユテーラはとてもいい子なんです.

 料理はとてもおいしいんですよ.」

ネコハクはカハシのことを気遣う.

「ありがとうございます.

 …あなた…は魔法が使えるのですか?」

「あ,わたしですか?

 ええ.」

ネコハクは少し恥ずかしそうだった.

あまり公表できるものではないのかもしれない.

「いま,幸せですか?」

ネコハクは急にカハシの顔を向いた.

カハシは哀しそうな顔をしている.

「そうですね.

 今は,幸せですね.

 でも,辛いときの方が多かったかもしれない.

 この,ムウガの島には魔法があった.

 魔法は私たちを幸せにしてくれたけど,他の人たちには何の効果も無かった.

 だから狙われ続けていた.

 ドラ王やイワイウソオの名前ばかりが表に出ているが,彼ばかりではなかった.

 私達自身を守らないといけなかった.」
< 232 / 295 >

この作品をシェア

pagetop