After -deconstruction "God Ideology"
 その頃,罪人マホウビトは牢獄内の移動であったのにもかかわらず,処刑場の中に入れなかった多くの人間に責められていた.

マホウビトはその訴え一つひとつに謝罪をし,そのたびに兵士からは早く歩けと暴行を受けていた.


 暴行といっても,死ぬほどのことではなかった.

まだ生きているので処刑を受けなければならない.

マホウビトは台の上に首を少し出して立った.

すぐに立った.

「それではいよいよ処刑を執り行う.」

ヤルサは少しだけ上ずった声で宣言をした.

場内は静まり返っていた.

雲行きが怪しくなり,今にも大雨が降ってきそうだった.

ヤルサはそんなことを気にも留めずに,手を挙げて合図を送った.

「ドンーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ」
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