After -deconstruction "God Ideology"



 「お前がここにいてはならない.

 お前には別にやることがあるはずだ.

 声は聞こえてくるし,手が引かれるのもわかる.

 しかし,暗くてよく見えない.

「とりあえず,ついて来い.」

「えっ?

 誰なの?」

「話は後だ.

 とりあえず出るぞ.」

マホウ少年は自分の手がぐいと無理して引っ張られるのがわかった.

そしてそうされるが如く引っ張られた.

「待ちなさい.

 気づかないと思った?

 闇軍団.」
★闇軍団:とある人が彼らの属するイメージを「闇」と決め込んだから来ている名称らしい.

声から推測するしかないが,どうやら昨日のあの牢屋の仕切り屋の女性のようだ.

「甘い.

 私は『闇』でもない.

 私は…いかなるものでもない.

 そうだ,1ついいことを教えよう.

 もう1つのマホウビト,いやお前たちの言うところの『神』の動きのことだ.

 彼らは合法的に国を挙げてお前達を襲おうとしている.

 気をつけたほうがいい.

 【ナルカイナン】.」

暗くて透き通った声が終わると,そこにはもう暗いだけの空間しかなかった.

「合法的に?

 国を挙げて…」
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