After -deconstruction "God Ideology"



 ジラスが怪しいと思っていた草陰から3人組の男女と犬が出て来た.

カハシはこの3人組には見覚えがあった.

そう,例の牢屋から初めにジラスを助け出した,あの人達だ.

「まさかここに水の神だけではなく火の神まで一緒にいたとはな.」

あの声の低い大柄の男のものだった.

カハシには逆らえない事がわかっていたので大人しく黙っていた.

一方のジラスはというと,何があったかよくわからない様子で,あちこちを見回している.

犬を連れた女性が言った.

「そんな事よりも早く星月の神様の儀式を済ませる事の方が大切よ.」

すぐに男がカハシとジラスの手を無理矢理に掴んだ.

「何だ?

 いったい何のつもりだ!」

ジラスは掴まれた手を必至で離そうとしたが,なかなかできなかった.

「それじゃあ,行きましょう.」

その声に答えるように,残りの1人がしかしいやいやに魔法を唱えた.
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