After -deconstruction "God Ideology"



 その後しばらくも経たないうちに,今度はジラスが連れて来られていた.

「あなたはこれで火の神様になられるのですよ.」

カハシとは別の下女であるのに,姿かたちから口調までほとんど同じだった.

違うのは来ている服の色だけで,服の種類は同じだった.

水神の下女の色は薄い水色だったが,火神の下女の服は綺麗で純粋な紅色をしていた.

「ああ,そうか.

 おれも神になっちまうのか.

 どんな感じなんだろうか.」

ジラスは不意に早口でそう言ったが,きちんと意識は持っていた.

彼はカハシとは違い,自分の手でドアを押し,勇んでその空間に踏み込んで行った.

「頑張ってくるさ.

 おれは神になるんだ.

 なるんだ.

 なるんだ.」

ジラスは空間の闇に消えていった.
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