After -deconstruction "God Ideology"



 水は再び目を覚ました.

例によって水色の気味の悪い部屋だった.

今回はそれでも自分の感覚はしっかりあった.

もう慣れたからか,知らぬ間に起き上がって部屋を出ようとしていた.

そしてドアを見つけることはできた.

ところが押せども引けどもびくともしない.

「だめだ.

 出られない.」

退屈だった.

信じきれていない.

過去の思い出が甦って来るようだ.

「ああ,死んだのかもしれない.

 そうだ.

 きっとあの牢屋で死んだんだ.

 ここは死後の世界なんだ.

 …だから何だというのだろう.

 同じ位に嫌な気分がする.」

「そんなことはないわ.

 確かに,あなたの前身の,…カハシさんでしたっけ?」

水の下女は知らない間に水の空間に入り込んで来ていた.

水は前の名前を聞くといつものように頷いた.
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