After -deconstruction "God Ideology"
「カハシは死んだわ.

 もうどこにもいないの.

 あなたは生まれ変わったの.

 あなたの体と意識は今もあなたのもの.

 あなたは選ばれたのよ.

 あなたは優秀なの.

 あなたは立派な神になられたのよ.

 ほら,私をよくご覧になってください.」

水は下女のいる後ろの方を振り返った.

そこには水色の髪になっている下女の姿があった.

「髪の色が…変わっている…?」

しばらくの時を経て水がぼつりつぶやく.

「そう,あなたが神に信任されてから,私もあなたに信任されました.

 この髪の色はその証なのです.

 あなた様は私をお変えになられたのです.

 カハシにはそんなことができたのかしら.」

そして下女は神の方に近寄って,そっと肩に手を当てた.

「さあ,水神様.

 皆様に神としてのお姿を見せて差し上げましょう.

 さあ,正装になりましょう.」

「正装?」

「そう,今の姿は部屋着のようなものです.

 部屋着ではこの部屋から出られないようになっています.」

下女はいつものように楽しそうに嬉しそうにしゃべった.

「さあ,着替えましょう.」
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