キミと青空。 ~私たちの青春を~
「ありがと~! ごめんね、重かったでしょ?」


「全然! むしろ軽かったよ」


その後、正弘くんは、『次の競技があるから……ごめんね!』と言って保健室を出ていった。


なんでだろう……。



私を運んでくれたのが正弘くんだって知ったとき、なんだか胸が変な感じになった。


ドキドキではないけど……なんなのかな。


まあいっか!

私もそろそろ戻った方がいいかも。


「美琴っ! 大丈夫!?」


また誰かとぶつかってしまった。

もー……なにこのデジャヴ……。


「百合は戻らなくて大丈夫なの?」

「今終わったとこ。次の競技はけっこう後だから……」


時計で時刻を確認すると、私がリレーに出てから30分ほど経っている。


「あのさ……、あのあとリレーってどうなったの?」


本当は聞きたくなかったけど、自分のせいでビリとかになってしまったんなら申し訳ない。


「ああ。あのあとね、すごかったんだよ?

美琴が転んでビリだったんだけど、それから蓮くんがビュンビュンぬいて、一位だったの」


いっ、一位!?

嘘……。そんなに速いんだ。やっぱり逆に申し訳ないよ……。


「私、蓮くんのところに行ってくる!」


「わっ、私も行く!!」


「え?………あっ、いいよ! 一緒に行こっか」



今のなんだったんだろう?

百合の様子がおかしかったような気がするけど……気のせい?
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