キミと青空。 ~私たちの青春を~
ふんわりといい香りに包まれる。
「俺がやるよ」
少しの間理解することができなかったけど、クラスメートの男子が代わりに黒板を消してくれたことにやっと気づいた。
「あっ、ありがと……」
「あはは! いーよ別に。ってかちっちゃいなーww」
はい?
え、私この人と初めてしゃべるよね? 初めてだよね?
「う……うるさい! 失礼!」
初めて話す人にこんな態度、失礼すぎる!
ちっちゃいって……気にしてるのに!!
「ごめんごめん。そんな嫌なの?」
「嫌だよ! 小さいっていいことないもん」
それにしても、この人背高い……。
私と頭一個半ぐらい差がある。
「いいんじゃね? ちっちゃいの。
かわいーじゃん」
「え?」
かわいい……?
男子になんか滅多と言われないその言葉に顔が熱くなる。
「蓮ー」
「あーごめーん」
この人、蓮って言うのかな?
自己紹介とかは入学式の日にしたけど、あれで覚えられるわけがない。