キミと青空。 ~私たちの青春を~
てか………百合でないんだけど。
もう一回チャイムを押してみるけど、結果は同じ。
百合のマンションはオートロックじゃないから百合の家は目の前なんだけど……。
仕方なくドアに手を伸ばす。
―カチャッ……
「開いてる……」
百合が鍵あけっぱなしなんて珍しい。
普段は百合が家にいるときでも鍵しまってるのに。
「百合……?」
これが他の人の家だったら少し抵抗があるけど、小さい頃からよく遊びにきてた家だから静かに中へ入った。
百合のお母さんとかもいないみたい。
私は、百合の部屋に向かった。
なんでこんな静かなの……。
心臓が大きく鼓動し始める。
明らかにおかしい……よね。
でも、玄関に百合の靴はあった。百合はいるはずなんだけど……。
私は、ひとつ深呼吸をして百合の部屋のドアを勢いよく開けた。