キミと青空。 ~私たちの青春を~
『パパ~!! ママ~!!』
俺は、やっと会えた父と母を見て、余計に涙が出た。
『本当にありがとうございました!!』
そして、父がさっきの女の人に視線を移したそのときだった。
その女の人を見た瞬間、父が固まったのだ。
『パ、パパ……?』
父の体をゆすってみても、父は固まったまま。
『お前………なん、で……』
父が、かすれた声で言った。かすかに、震えているような気もする。
『あなた……!』
それは、相手の女の人も同じだった。
母も何かを感じ取っているのか、いつもとはまったく違う表情で二人を見ている。
だけどまだ小さかったそのときの俺には、なにがなんだかさっぱりで。
ずっと女の人と一緒にいた男の子も、きょとんとしていた。
『ねえ、パパ? どうしたの?』
俺がもう一度声をかけると、いきなりハッとする父。
『も、もう行こうか』
そのまま、俺たちはさっきの親子と別れた。
そのあとは普通にいろんなアトラクションに乗ったけど、たぶん、楽しんでいたのは俺だけだったと思う。
そう。
俺の父は、最低な男だった。
父と母の間に俺ができたとき、父はもう一人の愛人との子供も授かっていたんだ。
まあ、それが俺の義理の弟になるわけなんだけど。
そして、あの俺の誕生日の日。
偶然か、それとも運命だったのかもしれないが、父とあの女の人が再開してしまった。
あの日、遊園地から帰ってきても、変な空気が流れていた。
それからというものの、父と母はケンカばっかりの日々。
とうとう、父は出ていった。
まだ、俺は六歳にもなっていないのに。
そのあと、母からすべてを聞いた。
今でも、時々考えてしまう。
“俺は、愛人との子供なんだ。
こんな俺が……この先生きていってもいいのか”