キミと青空。 ~私たちの青春を~
もっとも、一番死ななければいけないのは父だけど。
だけどやっぱり……愛人との子供として生きていくのは、辛かった。
蓮の母も俺の母もなにも悪くない。
それは痛いほどわかってる。
だって、お互いなにも聞かされていなかったんだから。
父は、俺ができたと知ったとたん、なにも言わずに蓮の家を出ていったらしい。
俺が愛人との子供ということは、父と母は夫婦ではないということだ。
“子供ができてから結婚しよう”と、父に言われていたから、母もそのつもりでいた。
でも、それは嘘だったんだ。
すべては、あいつのせい。
ずっと大好きだった父の真実を知った俺は、人を信じるのが、怖くなっていた。
その遊園地での出来事以来、俺は蓮とは会っていなかった。
だけど、あえてこの高校を選んだ。
蓮と同じ、高校を。
蓮は容姿からしてかなりの人気者だったから、蓮の情報を得るのは案外簡単だった。
きっと蓮は、俺以上に傷ついているに違いない。
だから、一度会いたかった。
じゃないと……俺ももう、限界だったんだ。
父親に裏切られてからというもの軽いノイローゼ状態にかかっている母。
家事も洗濯も、すべて俺がやらなければいけない。
いつもブツブツと独り言を話している母を見ているのも精神的苦痛で、もう俺一人ではどうしようにもなかった。