キミと青空。 ~私たちの青春を~
それは正弘くんも同じみたいで、
「「つ、付き合ってます……」」
って、二人仲良く言ったときは、我慢できずに笑ってた。
仲良すぎー! ラブラブだな! なんて言いながら。
だけど私も正弘くんも、本当に心の底から嬉しくて、楽しかったんだ。
さっきまでイライラしてたのが嘘みたい。
やっぱりこうしてるのが一番楽しいよ。
――……
「百合ー! 帰ろー」
昼休みに『今日は四人で帰ろう』ってみんなで約束したから、私はずっと放課後が待ち遠しくて仕方なかった。
「美琴は正弘呼んできたら? 私も蓮と正弘のクラス行くから!」
「あ、わかった」
今はもうただの友達じゃない。
周りから見れば四人グループというよりは二組のカップルに見えるかもしれない。
まあ……間違ってはないような、間違ってるような……?
正直正弘くんが彼氏かどうなのかもわからないままだけどとりあえず私は隣のクラスへ向かった。
「正弘くーん」
「迎えにきてくれたの? ありがと」
正弘くんの周りにはいつも当たり前のように女子がたくさんひっついている。
だけど、なぜか今日は一人もいない。
「今日は……なんか静かだね?」
「ああ、さっきまではいたんだけど、『今日は彼女と一緒に帰るから』って言ったらみんな帰ったよ」
出た……この天然スマイル……。
てか、彼女……彼女って! 彼女だけど……彼女?
「なに考えてんの笑」
私はすぐ顔に出るタイプみたいで、正弘くんに笑われてしまった。
「いいの! 正弘くんには笑われたくない~」
「え!? ってか……呼び捨てでいいよ?」
いきなり顔を近づけてきた正弘くん。
美形すぎるその顔に私は一気に顔が熱くなった。
「まっ、まさ……正弘」
呼び慣れていない呼び方で少し照れてしまった私は、うつむき加減にそう言った。
「俺も、美琴って呼んだ方がいいよね?」
美琴……
お父さん以外の男の人にそう呼び捨てで呼ばれたことは、今まであまりなかった。
ただ……体育祭のリレーのとき、蓮くんが一度だけ“美琴”って言ってくれたのは覚えてる。
あのときは必死で、そんなこと考える余裕もなかったんだけど。
「あ、美琴ー正弘ー!」
声の聞こえた方に視線を向けると、鞄を肩に下げている百合と、隣には蓮くんがいた。
「ありがと。帰ろっか」