封印の虹 Vivid army
月虹部隊のみんなが来てくれた。我に帰った私はなんてひどいことを考えたんだろうと自己嫌悪する。

「桃心、きっとこんな状況だから混乱してるんだと思うよ」

「私たちに出来ることは少ない。だが、出来ることはやる」

「早く終わらせるよう頑張るよ!帰ったらゆっくりしてね」

愛恩、墨礼、菜の花ちゃん……私はみんなに優しくしてもらう権利なんか無いのに……

「戦おう、隊長。私のことを最後まで諦めずに、頑張って助けてくれたあなたなら勝てるよ」

「まだあなたの事をよく知らないけど……白旗を振って頑張っていることは知っている!」

「白旗のことを頑張って調べていたし……!その時、私も頑張って協力しようと思ったんだよ!」

私が、頑張っている……?白旗の力は無駄じゃなかったのかな?

「私、ピジョンに竹林のこと言われているとき、また綺麗事言うんだろうなとか思ったよ。でも、隊長は夜空と違った。隊長のそういうとこ、嫌いじゃないよ」

冷静に考えたら、ライバルを減らすより、言いところを認めてもらい、好きになってくれるほうが大切なのに。勝ち負けとかおかしいことを考えていた。嫉妬した自分も嫌になる。

でも鸚緑さん……こんな私のことも嫌わないでくれた……


「私は、強くない」

立ち上がり、みんなに聞こえるように言った。

「悪い所もあるし、白旗を持っているというだけで他は普通の女の子と変わらない」

それでも……

「こんな私と、一緒に進んでくれますか?」


「もちろん!」

みんなが一斉にストーリーを掲げた。私も白旗を掲げ、叫ぶ。

「月虹部隊、突撃ー!」

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