封印の虹 Vivid army
月虹部隊で一斉に攻撃する。ピジョンの動きが鈍くなった気がする。

「これで終わりにするぞ、桃心。私と一緒に呪文を唱えろ」

「呪文?分かった」

白旗に力を籠めて身構える。


「やっていいことと悪いこと」

私は少し遅れて唱える。

「無の世界で考えろ!」

「無の世界で考えて!」


最後はちょっと違ったけど、真っ赤な槍はピジョンに向かって飛んでいき、白旗からはこれまで以上に輝く白い光が飛び出た。

白い光に包まれたピジョンは逃げようとしたけど、真っ赤な槍に貫かれて逃げることは出来なかった。白い光はピジョンを呑み込み、消えていった。

「これで、終わり……」

力を使いすぎて私は座り込んだ。

「やはり、強い力を持っている。私の仲間にならないか?」

「え!?」

突然の誘いに茫然とする。教官は、私の名前を読んでくれた。それは私の心の支えになっていた。けど……

「空操禁書の側にはつきません。だって、祈望軍には大切な仲間がいるもん」

もう、教官はいない。けど、私には仲間がいる。

「そうか、次に会った時は全力で消そう」

そう言って恵紅は消えた。

ピジョンを無の世界に送ることは出来た。けど、陸軍は壊滅状態になってしまった。
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