封印の虹 Vivid army
影見さんの話は想像を絶するものだった。
fall downとLost paradiseを開発した人の一人。そして、美理矢君と美理矢くんのお母さんを全力で守ろうとした人。
いい人なのか悪い人なのか、わからない。もしかしたら、どちらでもないのかもしれない。

「美理矢、自分の名前のことをどう思っている?」

美理矢君は突然の質問に驚いている。けど、少し照れながら答えた。

「昔は女の子みたいで嫌でした。けど……お母さんが考えてつけてくれたと聞いたら……悪くないと思いました」

私の名前の話なんて聞いたこと無かった。いつかお母さんに聞いてみよう。もしかしたら自分の名前が嫌いじゃなくなるかもしれない。

「ならよかったよ」

影見さんはドアの方を見た。

「いるんだろ?美月」

「何でわかったのよ……!」

苛立っている織雨さんがドアを開けた。
< 120 / 176 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop