封印の虹 Vivid army
「作戦当日、だな」

「体調も大丈夫、あとは……運?」

西村さんが月虹部隊の様子を見に来た。

「……笑実ちゃん!その格好……!」

鎧のような物で身を守って、大きな剣を持っている笑実ちゃんがいた。

「ごめんなさい……病気、治せなくて……いや、今なら……今日ならいけるかも!」

「いいの、ここで死ぬのは運命だから」

私がもっと早く強くなっていたら……最近治療も出来ていなかった。
時間が足りない!

「ここで止まってほしくない。私、早く戦いを終わらせたいの」

「でも……それじゃ……」

「皆に守ってもらった。だから、私も皆を守りたいの」

笑実ちゃんはそう言った。ラストや空想禁書が襲うせいで輸送が難しくなって、人も傷つくのは分かってる。でも笑実ちゃんたちを犠牲にして今日行うのは間違っていたんじゃないかと思ってしまった。

「……集合時間だ」

西村さんが腕時計を見て言った。この作戦に、祈望軍は全てをかけている。後戻りは出来ない。もう、笑実ちゃんと会えないんだ……。
< 146 / 176 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop