封印の虹 Vivid army
多くの輸送船を破壊、護衛し活躍する木蓮はこの時魔力輸送船を護衛していた。この輸送船は黒鷺に魔力を運ぶ。
黒鷺の艦長と木蓮の艦長は仲が良かった。無事な木蓮の姿を見て、黒鷺の乗組員も少し安心した。
潜行するラストや飛行するラストによって、大破や沈没した軍艦もあると聞き心配していた。

乗組員は輸送船と木蓮に感謝しながら魔力を移す。木蓮はそろそろ給油しないといけなくなり、給油艦に向かう。その途中、運悪く空操禁書と遭遇してしまった。

「水上機、発艦して!」

動きを確認するため、そして、木蓮が沈没しても別のところにいけるようにと考えた。

「高角砲、用意!」

空操禁書を撃つが、なかなか本に当たらない。上手く避ける。

「めんどくさい雑魚だなあ、無駄な抵抗だねぇ」

超越の本は一番消費する魔力が少ない攻撃をする。
しかし、木蓮は回避する。
そのことにいら立って、弾数を増やした。雨のように降り注ぐ魔力の弾を避け、または被害が少なくなるようにした。

「さっさと消えろ!」

広範囲に、雨のように降り注ぐ。避け切れず、被害を抑えることも出来ず、爆発した。

「まだ……まだよ……」

地を這い、艦長は指示を出す。

「避難……して……近くに……榧たちが……」

ほとんどが榧たちに移動したが、一部の乗組員は木蓮に残った。

「どうせ助からないんだ……なら、最後にあの空操禁書に一発当てたいんだ……!」

そう言った男性は頭から血を流していた。

「水上機に乗っている西灯に言って……戦い続けなさいって……皆、榧さんたちの所でも頑張るのよ……」

高角砲を撃ち続け、空操禁書の回避能力を落とす。そして、空操禁書の反撃によって二度目の爆発。船体は真っ二つに折れ、沈んでいった……最後まで、撃つことをやめていなかった……

「ちっ!」

最後の一撃が空操禁書に当たった。

「木蓮の……皆の仇だ!」

水上機で体当たりし、空操禁書を混乱させる。

「よくも木蓮を!」

黒鷺から発艦した戦闘機が空操禁書の本体に攻撃を命中させた。そして、空操禁書はバラバラになった本を海に落とし消えた。

木蓮の生存者はその後も活躍した。救助してくれた人たちに恩返しをしたいと頑張った。西灯も弾薬が着き、島の近くに着水するまで索敵や飛行するラストに攻撃を続けた。
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