封印の虹 Vivid army
「空操禁書主力発見!発艦せよ!」

日進の水上機が解明の本と文明の本を発見した。白鷺から戦闘機が発艦する。

「数は多い……だが、未熟なのが混じっているぞ」

多数で攻撃し回避出来なくしようという考え方によって、実戦の経験もあまりない操縦士も作戦に参加した。

「いくら物が良くても、操縦する奴が弱ければ意味が無い」

全方位に、一瞬で魔力の矢を飛ばす。多くの戦闘機が撃墜された。

「くそっ!」

このままではただ撃墜されていくだけだ。清は発艦を中止するよう命令した。
撃墜された後、操縦士を救助しに駆逐艦が集まった。

「えーい!こっちだー!」

ある水雷艇から乗組員が呼びかける。

「ああいう馬鹿は嫌いなんだ!」

解明の本は水雷艇に攻撃する。しかし、水雷艇は避けた。
この水雷艇は、的確な指示で優秀な操舵者たちが攻撃を避けることで有名な、軽鴨だった。注目を自分たちに引き寄せ、攻撃しやすくなるようにしたらしい。

「くっ!」

軽鴨に気を取られていた解明の本たちは攻撃を受けた。しかしすぐに強力なバリアを張って反撃しようとする。

「おぉっとうっ!」

潜行していた空操禁書が浮上し、軽鴨にぶつかった。予想外のダメージに空操禁書は動きが止まる。

「取り外し可能な装備で良かったー!」

装備の一部が取れただけで、他は大丈夫だった。すぐに元に戻した。

「ちょっと傷ついてるから応急修理しましょー」

「あっはっは!丈夫丈夫ぅ!」

解明の本は軽鴨を絶対に沈めると決めた。今度は避け切れないくらいに大きな魔力の弾を作る。

「うあっ!」

「文明!?」

文明の本は解明の本が気を取られているうちに、執拗な攻撃を受けていた。そして、バリアを割られ致命傷を負った。

「こんな……消え方だなんて……!」

文明の本は燃え尽きた。こうなってしまってはもう、元に戻らない。

「あの馬鹿め!あいつのせいだ!」

解明の本は強力なバリアを張り、軽鴨を睨む。

「……何か、本格的にマークされた?」

「なんてこったぁ!運が悪いぞ!救援を要請する!」

解明の本の攻撃は、軽鴨の間近に落ちる。悲鳴を上げて軽鴨は最高速度で逃げた。
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