封印の虹 Vivid army
「嫌な予感がするわ……」

神無は落ち着いていられなかった。如月から入電したとき、ヒヤリとした。

駆逐艦葉月 空操禁書を収容

「葉月……さてはりんねが……」

もうすぐ襲撃ってときになにやってんのよ。そうだ、装着しないと。敵の本拠地に殴りこみにいかなきゃ。

ヴァルハラを装着し、発艦の準備は出来た。他の駆逐艦も準備は出来たらしい。

「旗艦、三笠より入電!ワルキューレはただちに発艦!」

助走をつけ、甲板から飛び立つ。
全員そろっている。これからマリオネット半島に向かう。

「前方に空操禁書!攻撃開始!」


「捕虜が逃げた、だと?」

「はい、ちょうどワルキューレが発艦した頃に……」

葉月の艦長、北風 千夏(きたかぜ ちか)は、裏切り者がいると思った。考えたくはないが、一番怪しいのは……

「葉月を引き返し、着艦させてほしいと三笠さんに打電してくれ」

「着艦……ですか?」

命令通り、打電する。時間は無い、裏切り者が一人いるだけでどんな戦力も意味がなくなる。
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