封印の虹 Vivid army
瓦解の本が解明の本に魔力を渡した。瀕死の状態で避け続けていた解明の本は戦闘機を睨みつける。

「これで終わりだ!」

本を開き、中から禍々しいものが現れ始めた。


「月歩、水華をこっちに!」

駆逐艦春夏は輸送船護衛任務が終わり、引き返すときに月虹部隊を集めろという電文がきた。月歩から水華が乗り、残りは蜜柑だけだった。

「夜空と菜の花はもう行ったし……朝日か……遠いな。時間が無いのに」

朝日は離れた場所で大型のラストを討伐しようとしていた。そんな中で動きを止めるのは危険だ。

「水上機が来ると思います。蜜柑を連れてくるらしいです」

水華が冷静にそう言うが、信じられなかった。水上機でどうやって連れてくるんだ?

「あ、来ました」

水上機からロープでぶら下がる蜜柑がいた。

「着艦!」

ロープを手放し、本当に春夏に来た。

「ありがとうございましたー!」

蜜柑は水上機の方に手を振る。それに答えるかのようにぐるりと円を描いた。
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