封印の虹 Vivid army
「結局、あまり戦えませんでした……」
「もう気にするな」
朧さんが肩を落として墨礼に話していた。
「あっ桃心!」
鼠優子が私に気付いて手を振る。
「白原さん……討伐作戦で活躍した……」
「もうやめろ!忘れるんだ!」
戦えなかったことを気にしているみたいだけど、教官として活躍していたことは知っている。朧さんに教えてもらった人が討伐作戦で活躍していた。そのことを言うと、私は役立たずじゃなかったんですねと喜んで、スキップして去って行く。
「墨礼たちはどこに行くの?」
「私は家に一度戻る」
「私も」
やっぱり、まだ十五歳だから家に戻る人の方が多い。
「あのさ……また、集まって遊んだりしない?」
「いいな、これからは自由な時間も増えるからな」
「電話番号交換しよー」
手帳やちぎった紙に電話番号を書く。私はまた会えるんだと嬉しくなる。
「どこに行くー?」
「ナンっていうのを食べにいきたい!カレーをつけて食べるんだって!」
「愛恩カレーばっかりだね……たまには違うの食べたい」
鼠優子が紙をカバンに入れながら言うと、何回食べてもおいしいじゃんと愛恩が言う。
「食べる以外は無いのか……?」
後は、菜の花ちゃんたちだけど……
「おっ、何か楽しそうだね!」
ちょうど、菜の花ちゃんたちが来た。
「あっ、ちょうどいいところに!電話番号交換しようぜー」
「うん、じゃあここによろしく」
紙を交換して、自分の電話番号を書く。
「あれ、他にも書かれてる……」
菜の花ちゃんの紙に四人分の電話番号が書かれていることに気付いた。
「ああ、それは蜜柑と紫邦さんと空ちゃんと鸚緑さんの。そういえば、桃心たち会ったら教えといてーって言われてた」
鸚緑さんが言ってそうだと思った。他の番号も写し、紙を返す。
「夜空さんには会えてないんだよね。どこに行ったのかな」
「門から出て行ったところを見たよ。遠くにいたから呼び止めることも出来なかったの」
蜜柑ちゃんが教えてくれる。
「そっか……あっもう書いたよね。家に帰ってもいいかな?」
今は少し離れるけど、きっとまた会える。
門から出ると、墨礼と蜜柑ちゃんと菜の花ちゃんが左に行く。鼠優子は寄り道してから帰るらしい。
愛恩と私は同じ駅に向かう。けど、乗る電車は違う。
「また、桃心の家に遊びに行ってもいい?」
「もちろん」
「あのね、木にできるだけ負担をかけずに移植する方法が分かったの。実がなるくらい広い所に植えに行こう」
そうしたら、実がなる。今度は虫が湧かないように電子レンジで温めよう。
駅に着いて、切符を買う。愛恩が乗る電車が先に来た。
「またね」
電車に乗った後、振り返って言った。
「うん、元気でね」
リュックサックの、横にあるポケットにさした白旗が愛恩を見送る様にたなびいた。
「もう気にするな」
朧さんが肩を落として墨礼に話していた。
「あっ桃心!」
鼠優子が私に気付いて手を振る。
「白原さん……討伐作戦で活躍した……」
「もうやめろ!忘れるんだ!」
戦えなかったことを気にしているみたいだけど、教官として活躍していたことは知っている。朧さんに教えてもらった人が討伐作戦で活躍していた。そのことを言うと、私は役立たずじゃなかったんですねと喜んで、スキップして去って行く。
「墨礼たちはどこに行くの?」
「私は家に一度戻る」
「私も」
やっぱり、まだ十五歳だから家に戻る人の方が多い。
「あのさ……また、集まって遊んだりしない?」
「いいな、これからは自由な時間も増えるからな」
「電話番号交換しよー」
手帳やちぎった紙に電話番号を書く。私はまた会えるんだと嬉しくなる。
「どこに行くー?」
「ナンっていうのを食べにいきたい!カレーをつけて食べるんだって!」
「愛恩カレーばっかりだね……たまには違うの食べたい」
鼠優子が紙をカバンに入れながら言うと、何回食べてもおいしいじゃんと愛恩が言う。
「食べる以外は無いのか……?」
後は、菜の花ちゃんたちだけど……
「おっ、何か楽しそうだね!」
ちょうど、菜の花ちゃんたちが来た。
「あっ、ちょうどいいところに!電話番号交換しようぜー」
「うん、じゃあここによろしく」
紙を交換して、自分の電話番号を書く。
「あれ、他にも書かれてる……」
菜の花ちゃんの紙に四人分の電話番号が書かれていることに気付いた。
「ああ、それは蜜柑と紫邦さんと空ちゃんと鸚緑さんの。そういえば、桃心たち会ったら教えといてーって言われてた」
鸚緑さんが言ってそうだと思った。他の番号も写し、紙を返す。
「夜空さんには会えてないんだよね。どこに行ったのかな」
「門から出て行ったところを見たよ。遠くにいたから呼び止めることも出来なかったの」
蜜柑ちゃんが教えてくれる。
「そっか……あっもう書いたよね。家に帰ってもいいかな?」
今は少し離れるけど、きっとまた会える。
門から出ると、墨礼と蜜柑ちゃんと菜の花ちゃんが左に行く。鼠優子は寄り道してから帰るらしい。
愛恩と私は同じ駅に向かう。けど、乗る電車は違う。
「また、桃心の家に遊びに行ってもいい?」
「もちろん」
「あのね、木にできるだけ負担をかけずに移植する方法が分かったの。実がなるくらい広い所に植えに行こう」
そうしたら、実がなる。今度は虫が湧かないように電子レンジで温めよう。
駅に着いて、切符を買う。愛恩が乗る電車が先に来た。
「またね」
電車に乗った後、振り返って言った。
「うん、元気でね」
リュックサックの、横にあるポケットにさした白旗が愛恩を見送る様にたなびいた。