封印の虹 Vivid army
部屋で泣いていたらいつの間にか眠っていたらしい。ドアをノックする音で目が覚めた。

「大丈夫か?部屋から出てこないと綾乃が心配していたんだ」

「雨意ちゃん、何かあったの?」

隊長と綾乃さんが来てくれた。心配してくれたのは嬉しかった。でも、自分だけこうして生きていることに腹が立った。
綾乃さんが朝から何も食べていない私を心配して食堂へ連れて行ってくれることになった。食堂に行く途中、隊長に電報が届く。

「第2班全員死亡だと……!?」

第2班が新兵器を使って攻撃しようとしたところ、不具合があって兵器が爆発、近くにいた第2班全員が死亡した……

「だからちゃんと実験してから使えと言ったんだ……安田大佐め、二回目以降の実験に使う金を自分のにしやがったな……!今度こそ軍法会議にかけてやる!」

電報を握りしめ、隊長は作戦本部へ向かう。
私は、泣くことが出来なくなっていた。
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