封印の虹 Vivid army

適当なページで開くと、そこには近くの山での事件が書かれていた。当時１８歳だった竹林　入矢（たけばやし　いりや）という人が森に入って帰ってこなくなった。翌日遺体が発見された。これくらいしかわからない。その後が切られているのだ。
竹林……美理矢君と同じ名字……名前も似ている……もしかして、親戚だったりして。切られていてその先が気になるので織雨さんに聞いてみる。

「すみません、このページが最後まで読めないのですが……」

本を見たとき織雨さんの顔が真っ青になる。

「その事件はひどい事件です。調べない方が……」

そう言って本を取り上げられた。本は本棚に戻される。別の本を探すため本の列を見る。心なしか減っている気がした。

閉館の時間まで図書館にいたが、特に分かったことは無かった。図書館を出る時、あの事件を調べないように言ったことは内緒にしてほしいと言われた。