封印の虹 Vivid army
私がスパイだという噂が流れているらしい。私は、祈望軍のスパイ

が捕まったりしたときに救助する仕事をしている。

氷室が帰ってきた次の日の昼。

「朝日ー起きろー俺より起きるのが遅いとか……」

氷室が揺らすと、やっと朝日が起きる。

「うーん、私疲れてるんだけど……」

「俺も疲れてたが起きたぞ!朝日、お前何時に寝た!」

朝日が時計を見てぶつぶつと言う。そして、寝た時間は

「えっと、22時に寝た」

「12時間睡眠、だと……?」

朝日は平日忙しいので、寝られるときは何時間でも寝る。

「ほら眼鏡だ。さっさと目覚ませ」

「あっこらレンズを触るんじゃない!全く……指紋がついちゃっただろ……」

朝日は手速く眼鏡を受け取ると眼鏡拭きで丁寧に拭く。もう朝日の眼鏡に近寄らないと氷室は誓った。

「おはようございます!」

ダンボール箱を運んでいる鶴橋 千歳(つるはし ちとせ)が挨拶をする。千歳は、ここに色々な物を運びに来たり、何か連絡があったら伝えに来ている。

「千歳……その顔……」

「ああ、この前任務中に怪我しちゃって……大した怪我ではないので大丈夫です!」

そう言っているが、氷室の話によると私が初めて会うときより前から怪我をしてずっと治っていないらしい。傷跡も残りそうだと言っていた。
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