封印の虹 Vivid army
「鉄の塊どもを還元せよ」

少女の指先から閃光が生み出され、尾張に落ちる。尾張は間一髪のところで避けた。

「次は避け切れるか分からないな……」

いつもあのスピードを出せる訳ではない。

「師走の出番!空操禁書、私を狙いなさい!Look at me!」

駆逐艦の師走が来る。師走は高速で、攻撃を受けることは滅多にない。

千早来るっ!

秋津洲、参上!

領空侵犯で撃ち落とすぞ!

尾張に次々とメールが送られる。水上機母艦の千早と秋津洲、空母の生駒も師走の後に来た。

「まずは秋津洲から……」

急に少し離れたところで停泊した秋津洲を空操禁書が狙う。指先から放たれた閃光を秋津洲が……

「角度は!?」

「大丈夫です!いけます!」

「前進一杯!」

号令した途端、艦が急速に動き空操禁書の閃光を避けた。

頭使えばどんな敵とでも戦える!さあ師走、ついてこーい

Aye, ma'am!

ついて来いとは言ったが、師走が追い抜かしてしまう。

「後ろを狙え!」

合図と同時に生駒から戦闘機が発艦する。生駒には、ほぼ垂直で発艦できる最新の戦闘機が配備されていた。

「千早振る」

千早から水上機が発艦する。

秋津洲とその水上機、師走が空操禁書を翻弄する。空操禁書は避け切れず何度か攻撃を受ける。

「くっ弱って無ければ……!」

「還元の本、こちらに来い」

還元の本に、解明の本が映し出された。

「まだ沈めていません……」

「構わん。こっちに誘導しろ」

「はい」

還元の本が方向転換する。目指すのは、アリア沖……
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