封印の虹 Vivid army
「攻撃が再開!?面倒ね……」

扶桑まであともうすこしというところで攻撃が再開し、山城はもう泳いでいこうかとも思い始めていた。

「山城さん、もう少しです!」

空操禁書と味方の攻撃を避けながら進む。あと少しで扶桑にたどりつく。

「着きました!」

「ありがとう!」

ストーリィの縄梯子を引っかけ扶桑に移る。

「ちょっと中に入らせて」

突然の出来事に驚き、誰も山城を止められなかった。
止める者も押し切ってとうとう扶桑の元にたどりつく。

「兄さん、話があります」

山城は扶桑のすぐ近くに来た。

「山城……!?何故ここにいる!あそこから大分離れたはず……」

「駆逐艦に連れてきてもらいました。さあ兄さん、私の質問に答えなさい!」

「誰か山城を追い出してくれ……!」

追い出そうとしたが一人では無理ということで、二人、三人と増えていったが結局追い出すことは出来なかった。

「駄目だ……引っ張れば引っ張るほど強くなってる……」

山城を引きはがそうとした男が呟いた。最後は扶桑の腕にしがみつき、何が何でも離れなかった。

「何故こんな無茶な作戦を!?」

「空操禁書を討伐するためだ」

扶桑は何故か目を瞑って答えた。おかしいと思った山城は、扶桑の背中を思い切り叩いた。

「何をする!」

「やっぱり目の色が変!正気に戻って、兄さん!」

山城が扶桑の顔を全力で殴った。扶桑は倒れて5秒ほど起き上がらなかった。

「……!俺は確か、会議の帰りのはずじゃ……」

「覚えてないのね……」

山城たちは作戦のことについて教えた。

「俺はなんてことを……」

話を聞いて、扶桑は茫然とした。しかし、すぐに何をすべきか考える。

「あれを使う時が来たようだ。準備を始めてくれ」

扶桑は笑っていた。何人かが部屋を出て行く。山城には何が起きているのかさっぱりわからなかった。
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