「それでも貴女が好きでした。」
プロローグ
屋上のドアを開ける。


冬の冷たい空気に身震いする。


鞄を置き、上履きを揃えて脱ぐ。


沙耶さんへの手紙は鞄に入れてある。


後で誰かが見つけるだろう。


フェンスを乗り越える。


思った以上に高い。


下を見ると沙耶さんが居た。


沙耶さん、もう会えないですね。


それは寂しい。


でも、消えなくちゃ。消さなくちゃ。


私の存在も。


この気持ちも。


…………


__さよなら。

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