「それでも貴女が好きでした。」
「りな……?」
見たくないはずなのに、視線を動かせない。
「仲江さん!今日は帰りなさい!」
「……っ…」
先生に背を向け走り出す。
怖かった。ただ怖かった。
何が怖いのかわからないくらい。
走った。ただただ走った。
怖かった。逃げたかった。
その場から。
どうして…?どうして……!?
りな……。
何で……!?
しばらく走ると家に着いた。
ドアを開ける。
「おかえりなさい………沙耶!?」
一目散に部屋へと向かう。
部屋のドアを閉め、鍵をかける。
血塗れのりなが頭から離れない。
残像を消そうとこめかみを掻き毟る。
消えない……消えない……!
「……っ…何で?何でだよ!」
何も考えたくない!やめてよ!
離れない!消えない!
消えないよ!何でだよ!
消えないじゃん…
「消えないじゃん……りな…ねぇ……」
私は気を失った。