☆天まで届け☆

「実。」

「!うす。」

珍しく先輩が教室に足を運んできた。

3年生の三島毅先輩。

サッカー部の今のキャプテンだ。

「今日さ,野球部が全面使いたいらしいんだよ校庭。」

「はぁ!?先週もだったじゃねぇっすか!!」

「言うと思った。」

ははっと笑いながら先輩は俺の肩に手をやった。

「うちの野球部は強いから仕方無いんだよ。てなわけで,今日は郊外マラソンだ。」

「・・・だけっすか!?」

「うん。ごめんな。」

なぜか謝る先輩。

でも今のおれは『なんでだろう』なんて思いもしなかったんだ。

ただただいらついていた。
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