☆天まで届け☆
俺は,部活に出なかった。
ボールを触れなければ意味がない。
サッカーボールを蹴れないのなら意味がないんだ。
トボトボとボールを蹴りながら家に向かう。
ボムボムと俺に蹴られるたびにボールが泣く。
ビュン!!!!
「――――――っ!!?」
後ろから,すごい勢いで誰かが俺を追い越した。
「・・・・あの・・・制服・・・・」
見覚えがありすぎた。
無造作に腰まで伸びている長い茶色い髪。
カバンについているたくさんのぬいぐるみ。